GLOBAL BUDDHIST CONGREGATION 2011

インド旅雑記

国際仏教会議 2011.11.26~12.4

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昨日の疲れからか、4時半に起床。2度寝をしてしまい、起きだしたのが6時を少し廻って身支度をする。朝食後、昨日、ベッドを共にする予定だった(?)森本師とお話をしていると、時間がどんどん過ぎて行ってVIPは車の用意があると言うが、バスが来ていたので、それに乗り込み、9時10分過ぎに出発。30分ほどで開会式の会場である、AsokaHotelに到着。もうすでに開会式は始まっており、私が壇上に上がった時には、ネパール僧による読経の最中であった。
   
私も到着してすぐに壇上に上がってしまったので、袈裟もつけられず、新木さんにサインを送り、置いてあった袈裟を持ってきてもらって壇上でつける。各国代表団の挨拶を聞いて、最後にAsokaMissionの住職であるVen.LamaLobzang事務総長より挨拶をいただいて、本日の開会式は終了。そして午後の予定はすべてキャンセルと知らされる。
 
ここで今回の日本サイドのコーディネーターである鈴木樹代子氏にご挨拶をする。数百人が一度に移動をするので、玄関は大混乱。とにかく「待つ」ということ、トラブルが起きるのは当たり前で、それをいかに忍耐強く我慢して、なおかつ、自分の望んでいる方向に持っていけるか、これは、これまでにタイ、カンボジア、ベトナム、シンガポールなどで学んだ、南の国で生きていく為の智慧というか、教訓というか学んだことである。
2500年以上も前の、ここインドの地でお釈迦様が仏教と言うものをお創りになった。これはここインドだからこそ成立し、発展し、遠く中国、日本まで、南はミャンマー、タイ、ベトナムなどに到達。今ではヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、アフリカにまでつながりつつある。時代の流れの中には、発展もあり、収縮もあっただろう。しかし、平和の宗教である仏教だからこそ、今日があるのだとこの頃では考えはじめている。
     

一旦、ホテルに戻って昼食。午後からは新木さん、森本師と共にホテルリムジンをチャーターして、オールドデリーとニューデリーを分けるRedFortに出掛ける。降りたいのは山々だったが、中を歩いて廻ると2時間から3時間かかると言うので、周りをぐるり巡ってもらって、正面で少し降ろしてもらってオールドデリー気分を味わう。車でオールドデリーに入ると、そこにはきっと見ただろう26年前のインドと寸分違わない姿を見出すことが出来た。物乞いの少年、肢体の不自由な女性、化粧を施したゲイなど、種々の底辺で行きている人達の姿が、そこには確実にあった。今、インドは世界でも有数の経済発展を成し遂げている。その恩恵を受ける一部の人達。その人達と、この最下層の人達の貧富の差はますます大きくなっていて、インドが抱える問題の深さを改めて見る思いがした。
 
それはインド門を訪れた時に、より鮮明になる。インド人の青年の一団に取り囲まれて、写真を一緒に撮りたいという事で一緒に撮った。彼らは一様にきれいな服をきて、手には携帯やカメラを持っていて、非常に礼儀正しく、一目でどの階層かが解る。その同じ場所で、今度は、はだしで汚い服装の青年が無断で、拾ってきたようなカメラで、断りもなく一緒に写していた。これこそが現在のインドの縮図ではないかと強く感じた。インド門からまっすぐに延びた所に大統領府があり、その横には首相官邸、まわりは官庁街で、ちょうど日曜という事もあり、官庁街は閑散としていたが、その一角では映画の撮影が行われており、その一角だけはたくさんの人で溢れていた。紅茶の専門店に立ち寄り、ホテルに戻り夕食を済ませ、食後、森本師の知り合いで、インドで30年以上も僧侶として活動している、中村行明師に御逢い出来ることとなり、彼のお寺に案内していただく。お茶をよばれながら中村師の半生を伺った。
 
中村師は、ヒッピーのような生活に飽き足らず、僧侶になられた方で、インド国内に3つの僧院ないしお堂を建てられ、現在は1年の3か月はヨーロッパ、3か月は日本、6か月はインドで生活を送られているとのことで、天龍寺の一滴会にも所属しているとの事、最後には師のギターまで聞かせていただき、本までいただいて、ホテルに帰還。彼は非常にユニークな方であるが、私も海外での生活が長かったので、彼には同じ匂いがするようで、非常に親しみを覚える。
ホテルに戻り、彼から頂いた「たましいの童話集」の序文で当時、駒沢大学総長であった奈良先生が、「彼に最初に会ったのは、日本大学芸術学部の学生であった・・・。」とあり、それを見て、私は縁の深さにびっくり。彼は私より一つ年下なので、もし現役で入ったとしたら、彼は確実に、私の同級生なのだ。それも2人共、それぞれにお坊さんになり、お釈迦様が生まれた、このインドの地で会おうとは、誰が想像できるだろうか。もう一度、彼に会って、真相を調べなくてはと考えながら、深い眠りについた。