GLOBAL BUDDHIST CONGREGATION 2011「国際仏教会議 2011

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1128日(月曜)

 
インド3日目。朝のホテルの窓から眺める街は、いつも靄に包まれ、徐々に太陽が上がってくると、人々の熱気と車の喧騒の中で、徐々に靄は晴れてくる。そしてインドの人々の生活が始まる。私たちは、朝食後、8時半にロビーに集合。Lalit Hotel、Crystal Ball Roomで9時から始まっているPreservation & Developmentの講演を拝聴。
 
11時からRegency Hallで自死の活動をされている臨済宗僧侶、根本師の講演があった。実際、ここ10年以上、年間の自殺者は3万人を大きく上回り私自身の活動の中の、グリーフケアでも、被害に遭われて亡くなられた家族の中には、自殺を考えられる方がおられる。そういった中で、僧侶として、一人間として何をしたら、何を一緒に考えてあげたら良いのか、大いに悩む所でもある。
根本師が、自殺をしようとする人達と真摯に向き合い、インターネット、チャットなどで呼びかけて、これまでに3000人以上の人達と接してきた事実には敬服すると共に、お話の中から、これからの私の活動にいくつかのヒントを頂いた。
 
このパネルには、もう一人サンフランシスコから参加されている曹洞宗の僧侶、藤田師の発表があり、こちらは、普段からお話しされているであろう「生老病死」からはじまって、人間と言うのは「苦」を受け入れて、自然体で生きてゆくのが、本来の姿であるという内容のお話だった。
奇しくも、日本の禅宗にかかわるお二人が発表されると言う奇縁を感じると共に、禅と言うものは自己の体験によって、自己を見つめる。そして何が出来るかを考える。これが基本にあって、決して統計や倫理だけで成り立っている学問でないことを、再認識することとなった。
 
3時に一旦ホテルに戻り、7時半から南デリーにあるAsokaMissionにて歓迎式典があるということで、屋外レセプションに参加する。チベットやブータンを始めインド舞踊なども披露され、出席者を大いに喜ばせてくれる。昨夜お会いした、中村師も会場に顔を見せて、彼が、日大芸術学部の同級生であることが判明。しかし彼は学校には3か月しか行っておらず、(江古田には6か月居たようだが)、それ以上は、また闇の中に消えてしまった。この続編は日本に帰ってからですね。
 
今回の参加者はコーディネーターの鈴木氏が、いろんなコネクションを使って集まった方々と、聞く。中には蓮華院誕生寺の川原師のように、10年ぶりにお会いする方、榧寺の日比野師のようにタイ関係でお会いしたことのある方もいらっしゃるが、ほとんどの方は、今回のインドがご縁でお会いした方ばかりだが、それぞれ仏教にかける思いも深く、そしてそれ以上に結束力があって、これからの日本の仏教もかくありなんという期待が、私の中で大きく膨らむ。

11月28日(月曜)29日(火曜)

28_1.jpg 11/28/2011 28_2.jpg 28_3.jpg 28_4.jpg 28_6.jpg 向かって左から、根本一徹師, 藤田一照師 28_7.jpg 中村行明師 buddha.jpg 11/29/2011仏舎利 28_3_2.jpg 29_4.jpg 27_9.jpg 29_5.jpg 緑川明世師 29_6.jpg 29_7.jpg 通訳のKyokoさん

1129日(火曜)

 
昨日発表を終えた根本師と朝食を頂く。根本師も発表から解放されたのか、晴れやかに自分自身の事、これからの活動目標などを聞かせて頂く事が出来た。彼の純粋な人となりと、熱い思いが伝わってきて、こちらも頑張らねばと言う思いを新たにした。
午前中は日本からの参加者の発表もないという事で、有志はホテルの車2台に分乗して市内へ。インド門から、国立博物館に向かう。さすがに古代文明発祥の地インドである。
 
いろんな展示物が目を引くが, やはり仏教徒である我々は仏教に関する展示物に目が行ってしまう。
この日は、課外授業の日なのか、多くの児童、生徒が見学に来ていた。そこで、驚かされたことは、その子たちが素手で、平気で、展示物を触っていることである。日本でもアメリカでも、信じられない光景だが、本当に触っている。それとみんな大きな瞳で私達に微笑んでくれた事、子供たちの屈託ない笑顔、これに勝るものはない。
 
それから、少し買い物をして、午前中の散策は終了。午後2時20分頃ParkHotelに戻って、昼食。予定表を確認して、森本師、桑澤師、西村さんと共に、ホテル近くの幾何学模様の大きな芸術作品である建造物を見る。名前は失念したが、入場料100ルピーを払い園内へ、インドでは高いと考えましたが、インド人は5ルピーと割安。外国からの観光客には少し割高でも、それによってこういったものを残していく姿勢は素晴らしいと思った。その後、時間つぶしに、TukTukに乗ってお土産店へ、紅茶をということで紅茶店にも連れて行ってもらうと、そこはなんと、一昨日に寄った紅茶店の本店であった。これもインドの縁と云うものなのかと驚く。そんなことで、思いの外、時間がかかってしまい、時間ぎりぎりにParkHotelに戻る。「女性と仏教との関わり」ということで、会場は溢れんばかりの人で埋まっていた。
 
 
まだ始まったばかりで、緑川師の発表までは、他の方の発表を聞く。それぞれの方が、自分の活動を通して、女性が仏教に関わる事の大切さを訴えており、天台宗の僧侶である緑川師の発表は、日本は仏教の僧といえども、結婚が出来、お坊さん同士の夫婦の話を交えてお話をされ、また、尼僧としての自分の活動をスクリーンを通して見せながらの、日本の仏教の特殊性と、日本における尼僧の活動を効率よく発表された。このセッションは発表が10分と、他のものに比べて5分少なく、それでも、十分に聴衆に伝わったのではないだろうか。
 
宿泊先のシャングリラに戻り、今回、日本から来られている、ほぼ全員に当たる20名で、発表をされた方、コーディネートされた鈴木さんの慰労を兼ねた夕食をペリエの乾杯と共にはじめ、皆さん、とっても素晴らしい笑顔での楽しい夕食となった。